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「認知症は治らない病気」という誤解

「認知症は治らない病気」という誤解

認知症は治らない病気、そんな認識を持たれている方も多いと思います。

さらに早期発見と対応が非常に重要だとも言われています。

 

手術によって治る認知症もあります。

例えば、正常圧水頭症という病気については、脳内の髄液が貯留することによって脳が圧迫され、脳の機能障害が起こる疾患です。

頭部外傷によって血種ができ、脳を圧迫して脳の機能障害が起こる硬膜下血腫などもあります。

いずれも物忘れの他、歩行障害、尿失禁などの特徴的な症状が現れます。

この二つの疾患については治療で認知症を完治することができます。

正常圧水頭症であれば脳内に貯まった過剰な髄液をシャントで取り除きます。

硬膜下血腫であれば外科手術で脳を圧迫する血種を取り除きます。

このように、手術によって認知症の症状を完治することが可能な疾患もあります。

 

認知症はアルツハイマー病だけでなく、様々な認知機能の低下を引き起こす疾患の総称です。

その疾患ごとに適切な対応をすることが必要になります。

対応が早ければ手術によって感知できる可能性がある場合や、認知症の進行を緩やかにすることもできます。

 

認知症対策の新オレンジプランでは、かかりつけ医の認知症対応力向上研修の実施や、認知症サポート医養成研修を行い認知症サポート医を中心に地域の中で認知症の啓発や情報提供を行ったり、初期集中サポートチームによる早期介入を行える体制づくりを掲げています。

 

ただ、どこの医療機関ならちゃんと認知症を見てくれるのか、どこが認知症サポート医なのかといった情報は一般的に知られておらず、受診を躊躇う家族がいるのも事実です。

 

本人が受診を拒否する場合もあり、認知症専門医による早期診断や早期治療につながりにくいケースも少なくありません。

 

迅速に、そして適切な医療機関につなげるためには、家族だけで抱え込むのではなく、近隣住民や地域包括支援センターなどの相談機関の協力も依頼していくことも重要です。

 

 

また、社会参加することや生活習慣を整えること、運動習慣を持つことなどで認知症の症状は改善することが期待されます。

認知症の方は水分の摂取量が少なくなりやすいことから、脱水や便秘などのトラブルになりやすく、症状が悪化していくケースも多くあります。

トータルとしてその人の状態を把握できるかかりつけ医や看護師などの医療スタッフのかかわりが重要になります。

 

デイサービスを利用することなども認知症改善のためには重要な役割を持っています。

様々な活動に参加することや人と出会うことで刺激を受けることなども、認知症の症状を悪化させないために大きな効果を生みます。

 

認知症は治らない病気だからと在宅生活をすぐにあきらめるのではなく、認知症専門医や介護サービス事業者による適切なサポートを受けることで、在宅でも長く生活を続けることができるかもしれません。

 

認知症に関する過去のブログはこちら

認知症の高齢者が働くこと